失われた世界 (1960年の映画)

1912年に発表されたアーサー・コナン・ドイルSF小説『失われた世界』を原作とした、1925年の『ロスト・ワールド』に次ぐ2度目の映画化で、初のカラー作品である。後年「パニック映画の巨匠」と呼ばれるアーウィン・アレンが製作・脚本・監督の3役を務めた。配給は20世紀FOXで、前年の『地底探検』に次ぐ、恐竜の登場する探検映画でもあった。
ストーリーは概ね原作に沿っているが、舞台は(製作当時の)現代に設定され、前作『ロスト・ワールド』同様に原作には登場しない女性が探検隊に加わって現地に赴くなどの脚色が加えられている。特撮は『地底探検』も手がけ、この後アレン作品の常連となるL・B・アボット他が担当し、『ロスト・ワールド』でストップモーション・アニメーションを使って恐竜の動きを表現したウィリス・オブライエンも名を連ねているにもかかわらず、本作では本物のトカゲやワニに背びれやトゲなどを着けて恐竜に見せた、いわゆる「トカゲ特撮」が使われた。
出演は『地球の静止する日』で主演したマイケル・レニー、『カサブランカ』の警察署長役が有名なクロード・レインズ、後年『007 ダイヤモンドは永遠に』でボンドガールとなるジル・セント・ジョンらであり、マローン役のデヴィッド・ヘディスンは、この後アレンが製作したテレビシリーズ『原子力潜水艦シービュー号』で、クレーン艦長役に起用されている。